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小型スーパーの八百幸2号店の開店が遅れるヤオコーに内在する理由

横須賀市のエイヴイを買収、連結決算では営業収益が4,350億円(2019年3月期)までボリュームアップしてきた株式会社ヤオコー。同期の営業利益率も4,11%と高い水準にある。同社がエイヴイを買収したときには「なぜ?」と疑問を呈した人が多かったが、こうして決算数値を見ると、ヤオコーが売上高1兆円構想を達成するためには、競合企業の買収は不可欠だ。2019年2月期で6、986億円とほぼ7,000億円に近づいているライフコーポレーションと比較すると、ヤオコーの置かれている位置は明らかだ。

ヤオコーが売上高を1兆円に近づけるために、もう一つ強化したいのが、売場面積300坪以下の都市型小型スーパ―の出店増だ。鳴り物入りで2017年11月にオープンした同業態の八百幸成城店だが、それ以降1年7か月が経っても2号店の出店がなく、出店計画を見ても、2020年3月末まで小型店の出店予定はない。

細部に注意を払い過ぎ、MDの絞り込みができないヤオコー

ところで八百幸成城店のあと、ヤオコーで小型店の出店が滞っている要因は、成城店の売上・利益実績が予算を下回っていることと、300坪ストアのMDがなかなか決まらないという事情がある。ヤオコーは売場面積600坪前後の店舗が多く、お客さまの豊かな食生活を実現するためのラインロビングには秀でている。逆に600坪を450坪に、さらに300坪にするための、絞り込みに関しては思い切りが悪く、「あれも残したい」「これは残す必要がある」と考えていくと、いつまで経っても300坪ストアのプロトタイプができない。

ヤオコーとは対照的に、気持ちいいくらいに思い切りよくMDを決めていくのが、ヤオコーと業務提携しているライフコーポレーションだ。同社は今年4月、コーナン商事が大阪市中心部に開発した店舗に76坪の超小型スーパーをテナント出店した。このMiniel西本町店は、超小型店舗のため、生鮮食品はカット野菜、カットフルーツなどの即食商品だけで、品揃えは弁当やサンドイッチ、総菜などや、飲料、スイーツ、加工食品、ワインをはじめとする酒類などが中心。担当バイヤーからすると、断腸の思いでカットした商品も多かったはずだ。
またMiniel西本町店の近くには、ライフ初となるオーガニック食品スーパーである「ビオラル靭店」もある。2016年6月にオープンした同店は、開店当初こそやや苦戦したが、2018年1月にリフレッシュオープンした後は、好調に推移している。その要因としては、ライフのMDの思い切った絞り込みがある。
ヤオコーとしては、ライフとの業務提携のなかで、商品や店舗運営のディティールを研究するだけではなく、思い切りのいい絞り込み手法についても学ぶべきではなかろうか。しかし、絞り込みはスキルではなく、意識の問題でもあり、これが一番難しい。