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リテールテインメント入門<9>スーパーの鮮魚の調理サービス

●サミットストア西永福店で始まった調理サービス

いまや日本のスーパーマーケットでは、鮮魚を三枚におろしたり、焼き魚、煮魚用に切り身にしたりといった調理サービスを行う店舗は当たり前となった。逆にいえば、丸魚を買って自宅でさばくお客さまは少数派。生ごみの処理を考えると丸魚を自宅で一から調理するのは勇気がいる。

ところでスーパーで、鮮魚の調理サービスが始まったのは、1999年のサミットストア西永福店が最初だから、まだ20年になるかならずだ。そう考えると、いまの浸透ぶりは目を見張るものがある。またサミットストア西永福店で、このサービスが始まったときは、鮮魚売場ではなく特設コーナーでのサービスであり、アジフライ用、イワシ煮魚用などメニュー別に下調理するようになっていた。確か30〜50円のサービス料金が必要だったように記憶している。

そういう意味でいえば、鮮魚の調理サービスが始まったのはサミットストアだが、その形態は大きく変わった。現在のように鮮魚売場がオープンキッチンになっている店舗が少なかった時代には、バックヤードの作業場の担当者と話ができるイヤホンがあり、「売場に出ているサバを三枚におろしてください」とお願いすると、担当者が出てきて、サバを持ち、後ろの作業場で調理してくれた。今のようなテンポのいいやり取りはなかった。

スーパーの鮮魚売場

●青果の調理サービスはどこまで進むか

鮮魚に比べると野菜の調理サービスは、売場ではまだそれほど実例はない。せいぜい売場に小さい作業スペースを設けて、レタスなど葉物野菜のラッピングをしたり、根菜類の袋詰め作業などの軽作業が中心だ。調理サービスというよりは売場ににぎわいを出すのが目的だ。

しかし、野菜の下調理をスーパーが代行している商品は以外に多い。最も身近な例が万能ネギのミジン切りだろう。味噌汁などの汁物やラーメンにと、万能ネギの利用場面は多いが、そのつど刻むのは面倒なもの。そこでスーパーでは機械でミジン切りにし、カップ詰して販売している。トンカツ用のキャベツのミジン切りもある。

またカットサラダや野菜炒め、肉じゃが、カレーなどのセット商品も増えている。オイシックスのキット商品がヒットして以来、こうしたセット商品は種類が増えている。さらにキユーピーの子会社、株式会社サラダクラブが市場を開拓した袋入りのカットサラダも急成長した。同社は19年前の創業から売上は一貫して伸び続けており、2017年度で売上高は252億円まで拡大してきた。

もう一つ注目されるのは、カットフルーツだ。これにはフルーツの需要が日本で伸び悩んでいるいることも大きく関係している。日本では果物をむくことを邪魔くさがり、バナナ、イチゴ、ブドウなどすぐ食べられるフルーツしか伸びていないなかで、カットフルーツの比重は今後ますます高まりそうだ。200円前後の価格で提供できれば、まだまだ需要は拡大しそうだ。