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リテールテインメント入門<7>小さな気づきが売上を積み上げる

●食品館イトーヨーカドーで気づいたこと

スーパーマーケットは進化を続けており、さまざまな新しい取り組みが始まっている。その一つが、JR中央線阿佐ヶ谷駅前の食品館イトーヨーカドー阿佐ヶ谷店に用意されている小さな買物カゴだ。これはイメージとしては、スーパーのお菓子売場に用意されているカゴと同じほどの大きさだ。同店ではこれを高齢者や仕事帰りの若い女性向けに用意、リアルタイムで必要なものだけを買ってもらっている。

というのは食品館イトーヨーカドー阿佐ヶ谷店は、毎日必要な食品だけを買物するお客さまが多く、大きな買物カゴでは、かえって邪魔になってしまうからだ。つまり同店では、翌日朝食に食べるヨーグルトとロールパンとか、帰って夕食に食べるおにぎりと煮物というように、そのとき必要な食品が入るぐらいの買物カゴのほうが利便性が高いのだ。

食品館イトーヨーカドーでは、もう一つびっくりしたことがある。それは練馬高野台店のオープンの時のこと。惣菜売場で商品を見ていたのだが、何か印象が違う。しばらくはその理由がわからなかったのだが、何分かするうちに「そうか!」とひらめいた。それは弁当や惣菜などの価格表示の数字の級数がやたら大きいのだ。通常の価格表示10倍はありそうな大きさで表示されている。これだけ大きいと加齢によって文字や数字が見えづらくなっていても、非常によく見える。高齢者にとっては有難い配慮だ。

そのときは、これぐらいの大きさが今後はメーンになるのではないかと思ったが、さすがに価格表示がそこまで大きくなることはなかった。しかし、弁当や惣菜の価格表示は、その後確実に大きくなり、見やすくなったことは間違いない。

●フレスタおかず工房のミカン

スーパーマーケット入口

広島のフレスタには、通常のスーパーマーケットのほか、売場面積200〜300坪の中型SM業態の「おかず工房」がある。そのうちの1店JR福山駅前の「おかず工房アイネス店」では、ミカンの季節になると、相場にもよるが1個50円、2個100円程度でバラ売りしている。

これはおかず工房アイネス、駅前立地で周辺にはオフィスがたくさんあり、若い女性のお客さまが多いため、デザートとしてミカンがよく売れるからだ。さすがに職場に10個パック、8個パックのミカンを持ち込みづらいので、バラ売りすることになったのだ。バゲットサンドとデニッシュのお昼ご飯を買ってくれたお客さまが、スイーツ代わりにミカンをついで買いしている。