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リテールテイメント入門<4>こどもの遊び場の設置

最近スーパーマーケットでは、店内で販売しているベーカリーや惣菜を食べたり、コーヒーを飲んだりできるイートインスペースを設ける店舗が増えている。新店が中心だが、改装店舗でも可能な限り、イートインスペースを確保するケースも多くなっている。その要因としては、SMがかつてのように買物するだけの場ではなく、イートインスペースで友人や知人とおしゃべりしたり、軽食を取ったりとその利用ニーズが多様化している世の中の変化が背景にある。繁盛しているSMは高齢者はもとより、30代、40代の若いファミリー、20代の単身者と客層は幅広い。地の利が良ければ学校帰りの中・高校生が立ち寄り、イートインコーナーで自習して、お腹がすいたらカップヌードルを食べるといったオケージョンも生まれる。

ライフ調布店の子どもの遊び場

JR浦和駅東口のヤオコー浦和パルコ店のように、高校生、大学生の利用が多く、広いイートインスペースが時間帯によっては満席状態の店舗もある。ヤオコーでは、イートインコーナーへの来店で売上・利益を稼ぐのではなく、賑わいを演出できればいいと割り切っている。地方でも中・高校生のイートインコーナーの活用で、店舗の活性化をめざしているケースもある。

また最近は、イートインコーナーの見通しのよい場所に子どもが遊べるスペースを用意するスーパーマーケットが増えている。例えば幼稚園のママ友にあった母親が、イートインコーナーでコーヒーを飲みながら話し込んでしまったとき、子どもたちは5分、10分もすれば飽きてしまい、とても落ち着いて話しなどできない。ところが遊び場があれば、子どもたちは、かなりの時間遊んでくれるし、母親も自分の視野に子どもが入っているので安心していられる。

そういう意味でいえば、日本のスーパーマーケットは確実に進化していることはいうまでもない。かつてGMSや大型SMでは非食品売場の一角に子どもコーナーを設け、絵本や児童書を揃えて読み聞かせなども行っていたが、利用者の数は限定的だった。

それに対してイートインコーナーでの子どもの遊び場設置は、母親にとっても子どもにとってもメリットは大きい。見方を変えればリテールテインメントとは、楽しい売り方、体験的売り方といった一面的なものではなく、このイートインコーナーの事例のような、新しい利便性提供も含まれているのだ。